映画を見た。
テレビドラマの焼き直しやマンガ原作しか成立しない時代に、この映画を作った志に感動した。
そして4時間38分、ずーっと目が離せなかった。ありがとうよ、瀬々君。
若松孝二
(映画『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』『キャタピラー』監督)
素晴らしい映画だった。
最初 4時間38分という長さに びっくりして 身を引いてしまった…が、
映画が始まると同時に監督の確実な眼差しにぐいぐいと引き込まれていった…。
俳優ひとりひとりの存在の素晴らしさ、そしてロケーションの美しさ、あらゆる感情のうねり…スピード…リアリティ…映画の長ささえ感じずに見終わった。
劇場を後にして、これだけの大作を作り上げたスタッフ 俳優 監督に ぼくは深いため息をついた。
竹中直人
(俳優)
「純映画 ヘヴンズ ストーリー」
監督が今、いちばん観たい映画を撮る。
それがいちばん正しくいちばん難しい。
何故なら、監督が、自身の純映画魂と、真向対峙する、それしか他に、術はないからだ。
余計なお世話だが、努力は才能だ。
努力を重ね、チャントヤレば、その純映画魂は、必ずや伝わる。
僕もそうやって、僕が今、いちばん聞きたい音楽を創る。
だが、口惜しくも、僕の音楽が、あかの他人にとって、完璧であるはずはない。
ゆえに、この映画も、僕に完璧ではない。
だが監督と、制作者たちと、永友山崎ハコをはじめ、近頃稀な適役顔の出演者たちの、チャントヤル=純映画魂が、映写場万感とあふるる、これぞ実に純映画だ!
言音一致の純音楽家/遠藤賢司=エンケン
瀬々監督は勿論の事、関わったスタッフ、キャスト、
全ての人の「覚悟」を感じました。
圧倒的な映画。
熊切和嘉
(映画監督)
途中休憩時、トイレで小便をしながら、時間感覚が手に掴める様な
映画の物質感と自由を感じ、高揚しました。
物語のために用意された『既成の悲しみ』ではなく、悲しみそのもの
を語るための、途方もない計画のセッティングと成就を観ました。
流通の過程で、容易く情報に圧縮され、映画の体験を失いまくる現在
に拮抗しうる、本来の物語の時間。その奪還。
これこそを映画のエンターテイメントと呼ぶべきと思います。
鈴木卓爾
(映画監督)
今や課題は情報ファシズムと戦ひ、映画をテレビの支配下から救出することだ。
全編手持ちカメラの「へブ・スト」で、瀬々はその戦ひに挑んだ。
瀬々よ! 共同戦線を張らう!
原 将人
(映画作家)
まるで寛平さんのアースマラソンのような作品。
平山秀幸監督談
(聞き手:安川午朗)
4時間38分の、この長い映画。
若気の至りでは撮れない。大人の分別ではもっと撮れない。
充実に裏打ちされた盛年の客気のみが撮り得る映画だ。瀬々、見事!!
澤井信一郎
(映画監督)
バランス至上主義の”今”を
“んなとこでバランスとってる場合じゃねぇ!”と、
不器用さと武骨さと剥き出しの心で揺さぶり続ける4時間超。
この”揺れ”、妙に気持ちイイ。
山本政志
(映画監督)
どの人物も、どの風景も見逃せない。それは、ひとりひとり、
一場一場が物語にとって必然な存在だからだ。
資本に媚びず自らのやりたいことをやり尽くした、作家渾身の一作。
寺脇研
(映画評論家)
この映画は、愛に飢えた美少女ほど恐ろしい存在は無いことを描ききった。
だから、哀しくも妖しい物語が紡がれ、異世界に誘い込まれる危険に満ちている。
足立正生
(映画監督)
4時間38分、息もできずにスクリーンと格闘した。
多くの登場人物の情念に押し潰されそうになった。
だが、見終わって気づいた。
僕が圧倒されていたのは“瀬々監督の情念”だったんだ。
白石和彌
(映画監督『ロストパラダイス・イン・トーキョー』)
分析と思考を停止し、自身の生理のみに身を委ねることができた
4時間38分は、心地よい瞬間だった。
瀬々敬久が見つめ、切りとる時間に生きていることを誇りに思う。
大宮浩一
(映画監督『ただいま それぞれの居場所』)
”復讐”という希望から、”生まれる”という絶望へ。
サトの一生を思うと気が狂いそうになる。生きて、殺る。
連鎖の前で僕ら傍観するのみだ。決して目を逸らさずに。
向井康介
(脚本家)
懐かしくて愛しくて、あたたかな羊水に浸かっているような、
心の奥の琴線に優しく触れられてるような、
見る人により、いくつもの顔を持つ映画。
私はまた時々、あの世界に戻りたいと思います。
小島可奈子
(女優)
この映画は、そこらに転がるチマチマした心理ドラマを一蹴してくれた。
人間は合理的な生き物ではないけど、一生懸命生きてるよね、私たち。
藤岡朝子
(山形国際ドキュメンタリー映画祭)
物語を追うのではなく、共に生きる感覚。誰かと深く親しめば、
その人のすべてが知りたくなる。そこに始まりも終わりもない。
「涙と感動の実話」などくそくらえ。生々しくも情けない人生を
共に生きるべし。
太田直子
(映画字幕翻訳者)
哀しい人間の物語!! 人間はつながることによって、生きてゆく。
村上春樹はそのつながることに愛を見出したが、
瀬々敬久は変わらぬ風景の中でつながる人間に哀しみを見出した。
松本健一
(歴史家)
憎しみが日本中の大気に漂っている。
憎しみの連鎖を断ち切るにはどうすればいいのか。
瀬々敬久のこの作品は、『雷魚』以来のすべての作品が
このためのデッサンであったことを示す大作である。
四方田犬彦
(明治学院大学教授)
全ての登場人物たちを肯定する為に、作り手が嗚咽している。神に代わって。
鑑賞ではなく、体験として接すべき強度ある作品だと思う。
松江哲明
(映画監督)
感情移入によってでなく世の摂理に打ちのめされて嗚咽するだろう。
そう、確かに〈世界〉はそうなっている。
渡船、廃墟、鉄塔、桜などの漂泊のオブジェが〈世界〉を開示する。
宮台真司
(社会学者)
人に降り掛かる不幸や災厄のすべては、
この映画の中心にすえられた理由なき殺人事件と
「どこか共通した強烈な不条理」を含んでいるのだろう。
膨大な登場人物たちにくすぶる感情とあがいた末に起こす行動のすべてが
おろかしくかなしく、そして「とてもいとおしかった。」
内澤旬子
(ルポライター、イラストレーター)
あなたならどうする?なんて頭で考える時間もなく現実と向き合うこと。
これはきっと誰にでも起こりうる。
この映画を見逃すと、大事なものを見過ごしてしまうことになる。
真利子哲也
(映画監督)
4時間38分。
長く感じられなかったというより、いつまでも終わらないで欲しいと
思ったのは、映画が私の中で現実になっていたから だと思います。
映画の力を感じました。
末井昭
(編集者)
好むと好まざるとにかかわらず、これからの映画は
「ヘヴンズ ストーリー」以前/以後の烙印を押されるんだろうなと、
心底恐ろしくなりました。
入江悠
(映画監督)
役者が映画の中でリアルに成長し、
長編小説を読み終えたような充足感に包まれた。
ロケ地である松尾鉱山の神秘的な廃団地群や、彼岸的な海辺の団地が
いつまでも印象に残る。
関口勇
(「ワンダーJAPAN」編集長)
これは一人の作家が一生のうち一回しか作れない映画だ。
富田克也
(映画監督)
人間にしかない復讐という哀しい性を、
ここまで表現した映画は二度と現れないでしょう。
ミュージシャン山崎ハコをよく知っている僕は、
彼女の演技、存在感にびっくりしました。
安藤早苗さんの人形は、刺身のわさびのような、なくてはならないものですね。
北原照久
(ブリキのおもちゃ博物館館長)
生きるって大変な事いっぱいですが、ハコさんの演じられた恭子さんのように、
「生きることで過ちを止める」事ができるなら、
私も「生きて伝えていきたい」です。
cotorich
(コトリッチ・アーティスト)